BYODにすると電源などの管理がとても大切になるけどそれ以上に重要なものもある

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

最近は、PC教室を維持するための予算を確保することも難しくなってきている国公立大学もあったり、そのための予算を出さなくなってきている国もあったりして、在学生にPCを購入させて各自のPCで作業をさせるというBYODの流れが出てきているように思います。確かに、研究費の申請でも「PCは買えません」という但し書きがあるものも増えてきたりしていて、PCが備品としてではなくなってきている風潮があります。

BYOD(Bring Your Own Device)を導入しようと思うと、工学系ならさておき、大半の大学での初年時教育が大変重要になります。各自それぞれ違った環境のPCを持参するので、当然ながら持ってきた段階で各自違った状況になっています。OSのバージョンが違ったり、OSそのものが違ったり。そういったところを丸めて、全員共通した環境を作って他の授業に出られるような準備を求められます。

環境作りをどうするか?という話はひとまず置いておいて、もっと根本的に、PCをどう扱うか、というレベルの話もしないといけません。例えば、PCの電源をどうするかという問題を考えます。もちろん、学生自身にPCを準備させ、それを持ち込ませて授業をするので、学内に充電スポットが必要なことは明らかです。おそらく朝から晩までフルに授業に耐えられるようなバッテリーを搭載しているPCはないはず。登校時にはフル充電してくるようにと指示していても、なかなかバッテリーの延命は難しいところがあります。

特に新入生は、PCの挙動をよく知らなくて、バッテリーを少しでも延命しようと、授業が終わるとこまめに「シャットダウン」していたりします。これは実はあまりバッテリーには嬉しくない状況になります。通常、PCは起動時に大きな電力を消耗します。古いPCでHDDを搭載しているものならさらに電力消費は大きくなります。そうすると、5限までの授業で5回6回と起動、シャットダウン、起動…と繰り返していたら、その作業だけで結構なバッテリーを消費してしまいます。

近年のPCはWindowsでもMacでもスリープモードがとても扱いやすくなってきています。一昔前はスリープモードにするとエラーが出て復帰できなくなったりするようなことも多発していましたが、最近ではそんな状況になったことが(少なくとも私は)ありません。学生さんたちも方法がよく分からないから電源を切るという作業をしているので、きちんと教えてあげないといけません。昔みたいにHDDを搭載していると、スリープモードでの移動中に振動でHDDが損傷した、という話もありましたが、SSDが基本になってきているとそれも心配する必要がありません。DVDやBlu-rayの物理ドライブを搭載していることも少なくなりましたから、スリープモードでの運用が妥当です。

こうしたPCそのものの扱い方からレクチャーしていく必要がありますが、もっと根本的な問題もきちんと考えて指導しないといけません。それは、通学道中の「雨」対策です。みなさん自分で買ったPCなので、低反発素材のケースに入れていたりして、頑張って綺麗に扱おうとしているのはとても良いことです。一方で、「水分」に関する意識はかなり低いようで、防水仕様が増えてきているスマートフォンと同じような感覚で持ってくる場合が多いです。先ほどの電源問題にも関連しますが、電源を切っていればまだマシなところもあったりはしたとしても、濡れるとどの道良くないことは明白です(精密機器です)。

カバンを見ていても、口の大きく開いたトートバッグにPCを突っ込んでいるだけの学生も多いですし、水濡れ対策はほぼ皆無と言って良いです。その上、水筒を持参していたりすると、晴れていても水に濡れる可能性があります。これは大変危険。

ということで、私は特に新入生に対して、PCケースの中にさらにスーパーのレジ袋でも何でも良いから濡れても大丈夫な素材を入れておこう、あるいは、PCケースそのものをレジ袋に入れてしまおう、というような話をするようにしています。急な雨でも困らないように1枚は大きなビニール袋を持っておこう、というような話もそうですね。自分のPCを持ち込んで授業を受ける以上は、故障してしまったら授業を満足に受けられないデメリットが生じてしまいます。

その辺り、こちら側でも雨が降ってきたらPCを保護するためにビニール袋を配りますよ、ぐらいの準備はしておいた方が良いのかもしれません。大学が指示してPCを持参させているので、それをある程度保護することは必要でしょう。

まだしばらく先ですが、梅雨時期には確実に問題になります。PCに不慣れな新入生が困ることのないように、うまく指導していきたいものですね。

上部へスクロール