学生や生徒の呼び方問題(敬称?呼び捨て?愛称?)

投稿日:2022年03月29日 |カテゴリー:Blog, 学校

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

私は80年代生まれの昭和世代なので、基本的に女性なら「さん付け」、男性なら「くん付け」で呼び合う文化で育ってきています。そのため、教員の職を得てから、学生の呼称は当然のように「くんさん付け」で行っていました。ただ、最近は様々な事情を考慮した結果、全ての学生(生徒)を「さん付け」で統一するという流れが来ていて、高専の教員から大学の教員へ変わったことをきっかけに、基本的に全員「さん付け」で呼ぶことに切り替えてきました。今ではもう違和感は全くありませんが、当初は違和感満載だったのをよく覚えています。

先生と呼ばれる仕事をしている人の中には、自分が権威的であると思いたいのか、全員「くん付け」で呼ぶ人も居るようですが、私は少なくともその手のタイプの方とは仲良くなれたことがありません。私が出会った「くん付け」のタイプの人は全員が「小生」とか「小職」とかを使いたがるのも何か同じ理由があるのかもしれないなとか思ったりもしていました。そこはかとなく漂う小物感……。ただ、「くん付け」が基本であっても、何かしら学生(生徒)に対して一定の距離を確保しているという点は良いことだと思います。受け取る側がどう思っているかは別としても。

一方で、学生や生徒に対して呼び捨てで呼んでみたり、愛称で呼んでいるような方も時々見かけます。分け隔てなく呼び捨てであればそれはそれで良いのかもしれませんが、一部は「さん付け」他は呼び捨てのように混ざったりしているとよく分からなくなります。呼び捨てで呼ぶことは、親子や友人といった距離感を演出することになると私は考えていて、果たして学生や生徒とそういった距離感で居ることが妥当なのかが判断できません。なぜなら、全員「さん付け」のように、どの学生や生徒にとっても同じ距離感であることが分かりやすい表現ではなく、親密度みたいなものの高低がどこかに見え隠れしてしまう気がするからです。

愛称で呼ぶ場合も同様です。愛称で呼べる学生や生徒など正直なところ数えるほどしか居ないし、仮にそう呼ぶとすれば、相当な親密度だということが伺えます。もちろん、密に付き合うことになる学生や生徒もいれば、そうでない場合もあるのは当然ですが、愛称で呼ぶようになってしまったら、教員と学生や生徒との距離感は完全に狂ってしまっていると思います。アメリカのようにファーストネームで呼び合う習慣があるとかそういう世界観で生きているわけではないので、日本国内で指導する立場にあるなら、やはり一定の距離感は確保すべきと考えます。

時々、学生から「愛称で呼ばれて気持ちが悪い」「呼び捨てにされると不愉快」「くん付けされて威圧感がある」というような話が聞こえてきます。「くん付け」にはまた別の問題がありそうなので同列に書くのは難しいかもしれませんが、教員側が距離感を見誤っている良い例だと思います。親しくなったつもりでいて、受け取る側の学生は全くそんな気になっていなかった、ということですね。こういう話が聞こえてくるということは、少なからず問題がくすぶっている状態でもあるわけです。

教員の立場として、学生や生徒との適切な距離感を確保するにはやはり、「さん付け」で統一というのが良いのかもしれません。本来別の意図でみんな「さん付け」にしようという流れが出てきたのかもしれませんが、視点を変えれば、教員の立場からも学生や生徒を分け隔てなく平等に見られる良い機会なのだろうと思えてきました。全員手をつないでゴールしてみんなが1位みたいな話はもちろんやりすぎだとしても、教育の場で名前の呼び方に違いは必要なくて、「さん付け」統一が一番理に適っているようにも思います。

大学の先生には、自分に対する敬称でさえも「先生」を嫌がる方が多数いらっしゃいます。分野によっては「さん付け」が強制だ!と教え込まれるようなところもあるとかないとか。私は学生時代の指導教員を「先生」と呼んでいたので今でも職業柄「先生」と呼ばれる立場の方には「先生」と呼びかけてしまいますが、学会に参加していたりすると「さんでお願いします」と言われることもしばしば。確かに、非常に優秀な企業の研究者の方をどう呼ぶか、というと「さん付け」で呼ぶので、学校というくくりにいるから「先生」というのもおかしな話かもしれませんね。(ちなみに私は自分が雑魚だと分かっているので、くん付けでも呼び捨てでも好きなように呼んでくだされば良いのですが)

敬称を付けることはその人に対する敬意の表明であるだけではなく、一定の距離感を確保するために大変重要なことだと思います。研究室やゼミの学生とは関わることが多くなり、授業だけでしか会わなかった学生との距離感が一気に縮まるのは当然のことですが、それでもやはり、一定の距離感での線引きは大切です。飲み会とかオフの時に茶化し合っていてネタとして愛称で呼ぶ、ぐらいならギリギリセーフか?とも思いますが、アルハラだのなんだのありますからやっぱりダメですよね。呼び方一つで信頼関係に関わってくるので、気を付けないといけないなと改めて思いました。