SpinFitの(医療用)シリコンイヤーピースの使用感

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

私の愛用しているSHUREのAONIC 5は、ソフトフォームといってスポンジのようなイヤーピースが標準で装着されており、高い密閉度と装着感を演出してくれる素晴らしいイヤホンです。ただ、夏の暑い時期になってくると、少なからず汗の影響を受けてスポンジフォームの劣化が早まってしまいます。それと同時に、汗を吸収してしまうので、清潔感的にも問題があったりします。

そこで、大抵の場合夏になるとラバータイプのイヤーピースを活用するのですが、これがまた微妙過ぎるアイテムなんですね。確かにフィットするのですが、耳が痛くなってしまうという大きな問題があります。Apple Watchのシリコンバンドを使って夏を過ごしているとどんな感じになってくるかと想像して頂ければ分かるような気もします。

耳が痛くならなくて清潔に使えるイヤーピースはないものかと探していたところ、SONYのWF-1000XM4用に見付けたSpinFitの医療用シリコンというのがとてもよかったことを思いだして、SHURE用にも出ていないか探してみました。もちろんSHURE用のものも販売されていて、CP100+というモデルが該当するようでした。

さて、こちらのイヤーピースですが、早速試してみたところ、基本的に問題はないけれども、SHURE製品を使っているならある種「致命的」とも言える欠点が見えてきてしまいました。

SHUREのイヤホンを使用したことのある方ならよくご存知かと思いますが、SHUREのイヤホンは遮音性の高さを一つの売りにしています。「カナルタイプ」という言葉が対で出てくるように、SHUREのイヤホンは耳栓のように物理的に周囲の音を遮断して、快適に音楽を聴くことができるように設計されています。もちろん飛行機ですら例外ではなく、飛行機内の「ごぉーーー・・・・」というノイズも気にせず気持ち良く音楽を聴くことができます。

このような遮音性を実現するものが、ソフトフォームタイプのイヤーピースです。ソフトフォームという名前を聞くと何か特殊なモノのように思いますが、一般的に販売されている耳栓と同じようなモノとご理解いただければ分かりやすいかと思います。イヤーピースを指でつまんで潰して耳の中に入れることで、ジワジワ復元されてくると同時に遮音性が高まっていきます。

一方で、SpinFitのようなシリコンタイプだと、遮音性がものすごく下がってしまいます。プラスチックを耳に引っかけるだけのレベルのイヤホンに比べればもちろん高い遮音性を持っていますが、ソフトフォームには全く及びません。そのため、電車内ではソフトフォームの時よりも1つか2つ程度音量を上げないと聞きづらくなってしまうことに気づいてしまいました。

清潔感がないという問題はシリコンタイプで十分解消できるのだとしても、遮音性がここまで落ちるのは正直想定外で、ちょっと残念な気持ちです。SONYのWF-1000XM4では気づかなかったのは、WF-1000XM4が「ノイズキャンセリング」のイヤホンだからです。物理的に遮音するのではなく、プログラム的に逆位相の音をぶつけて騒音を消しているので、イヤーピースの性能にさほど依存せずにノイズを消せたからでしょう。

同じイヤーピースでも、使用するイヤホンの方向性によっては良くも悪くもなるということを学びました。室内でのんびり聞く分には問題ないとしても、電車に乗る機会が多いとSpinFitではちょっとツラいかな・・・という感じです。

なかなかノイズの多い空間で試聴することが難しいと思いますが、イヤーピースをお探しの際は、できるだけうるさいところでの性能評価をして、購入されるのが良いと思います。自分の使用環境に合っていなければ、せっかく良いイヤーピースでもストレスになってしまいますから…。

と、イヤホン沼にハマっている人はおかしなことを検証し始めてしまいます。是非この沼にハマりたいという方はご一報を!

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