みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。
現職に着任してちょうど1週間が経ち、いよいよ本格的に授業がスタートしました。コロナ禍になってからほとんど全ての授業とゼミをオンラインで実施してきたため、教壇に立つこと自体がものすごく久しぶりで緊張しました。厳密には、採用面接の時に模擬授業で教壇に立っているので数ヶ月ぶりといえばそうなんですけども、学生さんの前で授業をする心構えというかそういうのをすっかり忘れていてソワソワしながらスタートです。
1回生の科目ならお互いに大学初心者ですよねーみたいな感じで一緒に慣れていきましょうという感じの流れにできますけど、2回生以上が居ると私の方が大学在籍期間としては後輩になるので、むしろいろいろ大学のことを教えてくださいという感じになります。学生が見る大学と教員が見る大学は同じ場所でも違って見えるはずで、学生さんだからこそ知っているような大学の良いところを色々教えて欲しいなと思っています。
結構人見知りもしますし、正直初対面の人とは噛み噛みでしか話せないぐらいのチキンハートの持ち主なので、初回の授業は特に緊張します。いつもの「好きな人メソッド」でどうにかこうにか乗り切っているわけですが、メソッドが通用しないときはどうしようか・・・と本気で悩んでいます。少なくともあと数日はそういう日が続くので、全ての曜日の初回の授業をこなすまで緊張感が解けません。
好きな人メソッドは勝手に私が命名しているだけでちゃんとした名前があるのかも知りませんが、プレゼンをしているときに「なぜか頻繁に目の合う人」が何人居るか、というのを、「これだけ目が合うのだからきっと私のプレゼンが好きになってくれた人だ」とめちゃくちゃ好意的に解釈してカウントしていくメソッドです。40人の授業で例えば10人ぐらいそういう人が初回にいたらかなり気が楽になりますし、10人の授業でも1人もそうならなかったらこれほど空気が重くなることはありません。
今日は20人ぐらいの授業で5人ぐらいはよく目が合ったかな?と感じていて、初回としては上出来だと思っています。興味を持って話を聞いてくれていなければ目が合うこともありませんしね。これがもしゼロだったら……かなり落ち込んでいたと思います。教員も人間ですから、自分の話したことに何らかのレスポンスがないと寂しくなるものです。
そういったところが、オンライン授業との決定的な違いだなぁと改めて思いました。オンライン授業だとそもそも目が合うこと自体がないので、カメラをオンにしてくれている学生さんがどういう反応をしているかを見るぐらいしかできないし、真面目に授業を聞いているのに各自自宅とかでリアクションしまくっているというのもどうかと思うし、そういう学生さんの反応が分からないのがオンライン授業のダメなところだなと思います。もちろん、本当に人見知りだったりすると、壁に向かって話しているような気持ちになって話しやすい場合もあるかもしれませんが。
オンライン授業はとても準備が大変です。その場のノリでうまく話をつなげてみたいなことがそもそも難しいので、資料を念入りに作っておかないと伝えるべきことが伝わらなくなってしまって授業が崩壊します。対面の授業だと、スライドはある程度話すきっかけになれば良くて、その場の反応を見ながら柔軟にこちらの説明も変えていけるのでありがたいものです。家から出なくて良くてそういう意味で楽というのはオンラインに軍配が上がりますが、授業してるなぁと実感できるのは断然対面です。
私の性格的に全てオンラインでOK、フルリモート万歳なので、むしろ出勤すること自体が大変ではあります。ただ、教育効果とかそういう色んな面を考えると、やっぱり通信教育には限界があるなと感じますね。何より、受講者側の強い意志がないと成立しませんから。大学に来てくれているなら、それだけでも十分やる気はあるので、さらにちょっとだけ乗せてあげるだけで楽しく取り組んでくれますし。リモートだとやる気に火を付けること自体がかなり厳しい。
そんなことを思いながら久しぶりの教壇を楽しんできました。緊張しまくりでしたけど、あの手この手で色んな話をして反応が戻ってきたときはやっぱり嬉しいものですね。いろんな引き出しを準備しておいて、楽しく学べる環境を整えていきたいなと思っています。専門的な話でも、楽しく噛み砕いて話すことで興味を持ってくれる人がいるならそれはとても嬉しいことです。
久しぶりの教壇に立つ教員生活が今後ずっと続くはずです。楽しんでもらえる授業が提供できるように頑張っていきたいなと思っていますので、もしこれを読んでくれている学生さんがいたら、ちょっとでも何かしら反応を返してくれると喜びます。