科研費(基盤研究C)のスタート

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

ドラクエウォークのことしか書いていないですが、たまにはマジメなこともきちんと書いておかないとということで、2023年4月から採択された科研費(基盤研究C)のお話です。

このテーマは、元々指導学生が興味を持って始めた内容で、とても面白く、奥が深いテーマだなぁと思いつつ、少しハードルを上げて提案してみたものです。内容としては、奈良県葛城市が取り組んでいる蓮花のAI相談室に近いような内容になっていて、簡単に言うと日記などの日々の記録から、メンタルヘルスの状態を予測しよう、そんなテーマになっています。

GTP-4がリリースされて1ヶ月半以上過ぎたわけですが、世間はChatGPTの話題でもちきりですよね。もちろん、私が開発しようとしているシステムもGPT-4を利用した何らかの検証は必要になるでしょうし、そこは避けては通れないところだと思いつつも、メンタルヘルス的なお話になると、そう簡単にはいわゆるAIに代替されることもないのかなと思ったりもしています。やってみないと分からないですけども。

このテーマは、YANS2021(P1-16)やNLP2022(G1-2)で指導学生が発表してくれていて、特にYANS2021で発表がダイレクトにその内容になっています。元々の着想は性格検査に基づくメンタルヘルスの状態の推定でしたが、それだけではなかなか難しいこともあり、より簡易なモデルの利用などを考えていくというのが研究の内容です。そういう面では、同僚に心理学の先生方がたくさんおられるというのはとてもありがたく、相談しやすい環境にいるというのが大きな強みになりますね。

人生で初めての「倫理審査」というものも通さないといけませんし、いろいろ工学系の実験をやっているときとは異なったポイントに意識を向けないといけないので、なかなか慣れない部分もあります。ヒトを対象とした研究というのは本当に奥が深く、そういうところまで気にしなければいけないのかというところに改めて気付かされます。

実は、NLP2023(沖縄)で医療言語処理ことはじめというチュートリアルが開催されたこともあり、NLP2023の会場でチュートリアル講演者のお二人にお話を伺ったりしてきたのですが、やはり言語処理と倫理審査というのがなかなか難しいところのようで、書き方に悩んでいるというような話も伺いました。その道の先頭を走るグループであってもそういった状況であるということも考えて、本学の倫理委員会に適切な申請書を出せるようにしないといけません。これが多分今のところ一番難しいところですね。

4年間のテーマになっていて、しかも「教育心理学」という区分で採択されているので、本学の教育学部の先生などにも意見を頂きながら進められたら良いかなと思っているところです。細かいところは全く話せませんが、興味を持たれた方がいらっしゃれば是非お声がけいただきたいなと思っています。

たまにはマジメな話も良いですね。他にもいくつかマジメネタがあるので、少しずつ書いていこうかなと思っています。

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