PTAというとどうしても「自分の身の回りのことだけ」にフォーカスしがち

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

最近、Twitter界隈では、PTAに対するネガティブキャンペーンかというぐらいに様々な意見が飛び交っているようです。たいていの場合は、「勝手に役員にされた」とか「退会しようとしたら脅された」とか、自分の身の回りに関係することです(おそらく9割方そうじゃないかと)。私もPTA会長を経験しているので、自分の子どもの学校に関する問題はたくさん見てきています。ただ、PTAに関係する問題って、もっと根深いものもあるんですよ、という話です。

よく見かける問題の一つに、「入会するなんて一言も言ってないのに、勝手にPTA会費を学校費用に混ぜて引き落とすとはどういうことだ?」というものがあります。みなさんも多かれ少なかれ聞いたことのある話ではないでしょうか。こういった問題は、日本人の同調圧力的なところからも勝手に生まれてくる問題だったりするので、解消がとても難しいと感じるものですが、その同調圧力の原点を考えてみたことはありますか。PTA会費にも直結しているお話です。

PTA会費の使途については、かなり前にこんな記事も書いています。各学校、各地区、各市町村、各県、各地方、そして日本全体のPTAの予算が、私たちの供出しているPTA会費から出ています。一方で、その一番上の組織である日本PTA全国協議会の予算やその使途について考えられたことはあるでしょうか。私もPTA会長なんていうお仕事を引き受けるまでは考えてみたこともなかったですし、私はたまたまそれをより明確に考えないといけない立場になったことから知った事実もあります。

まず、その日本PTA全国協議会の公開情報を見てみましょう。

事業計画書を見ても、貸借対照表を見ても、全国のPTA支部からどのぐらいの収入があって、どういう支出があるのか、というのが全く分かりません。私たちが供出しているPTA会費の元締めが、何にどんなお金を使っているか、明確に出しているわけではないんですね。こんな記事で書いたとおり、支払ったPTA会費の9割は自分の子どもの学校で使われているのだし別に良いのでは……ぐらいにしか思わないかもしれません。

しかし、自分の子どもの学校にしか目を向けられていないと、より上の組織で何にお金が使われているかを意識することがなくなってしまいます。そして、そのお金は、その大半がそれなりにプラスになることに使用されているのですが、想像に難くないことに使用されてしまっているというのもあります、正直なところ。ここで赤裸々に書くわけにもいかず、本当にご想像にお任せするほかないのですが、まぁ、ご想像通りのものもあると思います。

国民一人一人から1円ずつ集めれば1億円以上が集まる、というようなことを地で行くのが日本PTA全国協議会です。公立の幼稚園・小学校・中学校・高校から1世帯当たり10円集めていると考えると、全国規模ではどのぐらいの収益になりますか。児童のいる世帯数を1000万だと仮定しても、1億円は集められているわけですよね。これはかなり大きな数字ですよ。その1億円の使途ってなんなのでしょうか。少なくとも、私の頭では、公開情報から計算することはできません。設置の理念や経緯なども日本PTA全国協議会のWebサイトに出ていますが、本来の趣旨と果たして現状は合っているのでしょうか。

そういえば、有料記事ですが必要な部分は分かりますのでリンクしておくと、松山市が上部組織から脱退すると話題になりましたね。これってものすごい英断ですよ。おそらく上の組織の問題を見てしまった人たちが、もうネズミ講みたいに考えてしまったのかもしれません。そういう側面がないとハッキリ言い切れない時点でモヤモヤしてきますよね。

実は私の住んでいる神戸市でも、上部組織からの脱退を表明するところが出てきています。使途不明金を出す気はない、というだけの話ではないにしても、PTAの構造に納得できない人たちが声を上げ始めているのは事実です。もちろん、私はPTA会長もやっていましたし、PTAの良いところももちろん知っていますが、コロナ禍で加速しているPTA離れというのは、最早止められないものだと思っています。

会則に記載されていない謎の暗黙ルールもそうですし、トップ組織の予算編成が分からないこともそうですが、PTAはとにかく透明化が進まない限り、不満の消えない組織だと思っています。そこは間違いない。私としても、PTAに入って、そんな裏ルールがあって回っていたのか……と怖くなったこともありますから。この抗えない流れにどのように答えていくか、また答えが用意できるのか、PTAの在り方というのが問われる時代になっていますね。

みなさんも、PTA問題について考えることがあれば、ご自身の関係している学校だけではなく、地域、地区、それ以上の大きなものについて、少し意識されてみると良いと思います。知らなかった情報がたくさんでてきますし、それでもPTAは必要か?ということを考えることができるはずです。私個人としては、PTAはあっても良いけど自校だけで完結する規模で良いし、親同士の助け合いの場であれば十分です。上部組織は不要だと思っています。

なかなか難しい問題ですが、お金の流れから考えるPTA、なんていうのもあって良いのかなと思います。

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