学部卒で就職すると大学で学んだことを100%活かせるのは稀なのだろうか

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

昨年度送り出した卒業生から、配属先が無事に決まって、大学で学んだこと(というか研究を通じて学んだ技術)を100%活かせる部署に配属されるという嬉しい話を聞かせてもらいました。文系大学でプログラミングの勉強をしてPythonで機械学習をかじったのが学部時代という感じですが、まさにそのPythonを使った機械学習の部署に配属されたそうです。素晴らしい。

実は、私の教え子は大学院から色んな大学に飛ぶので私が面倒を見るということはないのですが、学部で卒業した学生さん達はこうやって就職後の動きについて報告してくれることが多いです。ただ、大学で学んだことと全く関係ないことをやっていますというのがほとんどなので、これだけ見事にやってきたことを活かせる部署に配属されたのは実は初めてかもしれません。

大学院を修了して就職した学生さんは、さすがに大学院で学んだことを活かせるところに就職している場合が多いですが、学部卒での就職の場合、学んだことをほぼ100%活かせる部署へ配属されることは稀なのかなという印象です。確かに、大学の同期で学部卒のメンバーは、大学でやっていたこととは全く関係のない仕事をしていることが多いです。

私はやってきたことを100%活かせる仕事に就けていますが、やはり、大学で学んだことを行かそうと思うと大学院まで行かないといけないのかもしれません。むしろ、学部卒の新卒にはそういった技術的なことや知識的なことは求められていなくて、入社してから育てたら良いぐらいに思われているのでしょう。それなら高卒で働いていても良いような……?

学部生の卒論が適当になってしまうような話もチラホラ出てきますが、就職活動にものすごく大きなエネルギーを奪われてしまって、内定が出たら燃え尽きているという状況も確かによくあります。むしろ、内定が出たら山のように課題を押しつけられて、大学の卒論なんて適当にやってれば良いから卒業だけきちんとして、後は課題をこなしてから来て下さい的な話です。大学の学部って何を求められているのでしょうか。

卒業論文の執筆を通して、物事の考え方やまとめかた、見せ方など色んな力が身に付くはずなんですけど、そういったところはあまり見られていないようですね。就職活動をしているときは卒論にはほとんど取りかかっていないし、面接担当官に見えにくいだけなのかもしれませんけども。

そういう学部卒の教え子たちの話を聞き続けていたので、久しぶりに指導してきて良かったなと思える報告を受けて喜んでいます。前処理の仕方やエラー分析の方法など、機械学習をやる上で必要な知識を教えてきていましたし、それを実装する訓練もしてきていたので、これほどマッチした配属先も珍しいなと感じました。

最近はこんな記事も出ていたりしますが、しっかり学ぶ学生はどこに居ても学びますし、学ばない学生はどれだけ良い大学にいても学ばないですから、大学時代に取り組んできたこと(いわゆる「ガクチカ」みたいなくだらないものではなく、学問的なこと)をきちんと評価して、それを活かせる部署に配属してくれるような企業と巡り会えると良いですよね。大学名と契約するのではなく、その大学を卒業した個人と契約するわけですから、個人の能力をきちんと見てあげて欲しい。

教えてきたことが役に立ったと言ってもらえることほど嬉しいものはないので、これからもますます指導に身が入りますね。私にできることは人を育てることぐらいです。

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