文系大学でのAI教育みたいなものを考える(そんなセミナーに出てみる)

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

何度かこのテーマで書いている気がしますが、私は元々工学系の出身で、文系理系というなら理系の人間です。今は文系大学と呼ばれる私立大学に在籍しているため、学生さんの興味の方向と私の専門が必ずしもマッチしているとは言えない状況での教育を考えています。

文部科学省は、全国民レベルでAI・データサイエンスの素養をと言ってきていて、私立だからとか文系だからという理由はさておきとして、どの大学にもAI・データサイエンス系の授業を展開するよう言ってきています。そのため、AIやデータサイエンスに多少なりとも関係している教員すらいない大学での分野立ち上げでは大変困っているというような話もよく聞きます。

私はたまたま、情報教育センターという大学でのIT部門に縁あって着任することになったため、その関係で少しずつAI・データサイエンス系の厚みを持たせていこうというような場に身を置くことができていて、大変ありがたいなと思っているところです。プログラミング系の科目はもとより、人工知能関係の授業展開や共同研究など、じわじわと話が届き始めています。2〜3年後を目標に分野を作っていくような話になりつつあるため、セミナーにも参加し始めているところです。

一口にAIと言っても分野が広すぎるため、どういうテーマであれば本学の学生さんに学んでもらいやすいか、興味を持ってもらいやすいかということをしっかり考えないといけません。私の受け持っている情報リテラシー系の科目は全学共通科目なので、色んな学部・学科の学生さんと触れあう機会があり、それぞれの学部・学科で色が全然違うことも分かっています。その中で、AIについて話をする機会もあるため、システムを見せてみたり実際に動かしてみた結果を考察してもらったりという時間を取ることを考えています。

おそらくですが、あまりにも規模の大きいAIやデータサイエンスの話をしてもよくわからなくなってくると思うので、各授業で取得しているアンケートを分析してみせるなど、身近なものを分析すると何ができるのか、これが大規模になるとどういうことにつながるのか、というような視点からの教育が良いのかなと思って準備を進めています。実際に自分の書いた文章が分析されて結果につながっているとすれば理解しやすいところだと思いますし。

文系理系の違いをどう表現するかは難しいところですし、型にハマるようなものでもないのは分かっていますが、理系の人は抽象的な思考を好み、文系の人は具体的な思考を好むのかなというのは何となくこれまでの教員経験で感じているところです。どうしても抽象的に一般化してまとめ上げた話をしたくなるのをグッと堪えて、できるだけ具体的な事例でわかりやすく伝えていき、抽象概念へ結び付けてあげる方法を考えるのが仕事かなと感じています。ちなみに、テキスト的にはこういうものを使うのが良さそうだなと思っています。

まずは、プログラミング・AI学習サークルを軌道に乗せるところが仕事ですが、本学も文系だけどきっちりAI・データサイエンスを意識した授業展開をしているよと言えるような仕組みを作っていきたいなと思っています。ひょっとすると、オムニバス形式の授業などでご講演を依頼することもあるかもしれませんが、その際は是非よろしくお願いいたします。

上部へスクロール