NLP2022(本会議1日目)

投稿日:2022年03月15日 |カテゴリー:Blog, 研究

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

本日はNLP2022本会議の1日目ということで、オープニング・招待講演と続いてからひたすら聴講参加していました。某学会や某学会のように、全国大会に参加しても「自分の発表セッション以外には全く参加しない」みたいな人だらけの学会ではなくて、NLPは最初から最後まで参加者ほぼ全員がみっちり参加しているという正しい(?)学会なので、とても盛り上がります。今年もオンライン開催となってしまいましたが、オンラインなりに一体感を出せるような運営をしてくださっている実行委員のみなさまに感謝いたします。参加していてとても心地よいです。

最初の招待講演では、言語処理を複雑系として捉えるという難しいお話を楽しく聞かせて頂きました。私は物理屋でも数学屋でもないのでサッパリ分からないことも多々ありますが、言語を数理モデルとして表すという観点は昔から取り組まれていることなので、改めて複雑系と言われると将来的にどういう展望があるのかとても気になりました。よく言われるのは、数理モデルとして表現すれば数学的に解くことができ、計算機との親和性も高い、その一方で、数理モデルとして表した時点で数式処理のタスクにシフトするので、本当の意味で言語を処理しているかというと疑問が残る、ということです。扱いやすいモデルを作成することで得られるメリットの方が、言語的な特徴が少なからず欠落するデメリットよりも大きいことから数理モデルとしての扱いをメインとしていますが、いずれは「言語を処理するとは・・・?」という本質と向き合わないといけません。私自身そういう側面について深く考えられてはいないのですが、言語がベクトルになったよ、ニューラルネットのモデルで解けるよ、と言われても違和感が残るのはそういうところだと思います。

ただ、今の言語処理の世界では、数理モデルとして一定のパフォーマンスを出すことが主ですし、計算資源に予算を注ぎ込んで大きなモデルを学習させてというのが一般的です。そういうモデルで記述することができれば、あとはベンチマークのようなもので性能を評価して、SOTAだぞ!と主張していくのみです。難関会議に通したり論文誌に載せたりしようと思うとそういう流れになるのも分かりますが、学位を取ることや昇進することが目的でないなら、言語を処理することの本質を考える機会も必要かなと思います。まだまだこれからも数理モデルとしての言語処理が続いていくとしても、研究者の立場であればきちんと考えなければなりません。実際問題、人間の頭の中ではどのように言語が処理されているのでしょうか・・・。

というようなことを思いながら、複雑系で捉える言語処理を楽しく聞いていました。一方で、どうやって解くかという観点で見るのが一番落ち着くというのも数理モデルと化した言語処理に慣れ親しんだ結果でしょうね。

その後は、指導学生の発表を見守っていたり、興味のあるセッションを覗いてみたりと丸一日良い勉強になりました。某高専から某大学院へ院進した学生の発表も聞くことができて現況がよく分かりましたし、濃密な一日を過ごしました。

まだまだ会議は続きますが、明日は卒業式のため小休止です。隙間時間で覗けたら良いなと思っているところです。