教員の立場から選んだPythonのテキスト

投稿日:2019年05月10日 |カテゴリー:Blog

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

プログラミングの授業といえばPythonですか?と学生から聞かれるぐらいにはPythonが市民権を得てきている今日この頃ですが、テキストの選定にはかなり悩まされます。情報工学を専攻する学生にとって、Pythonに限らず特定の言語の仕様を習得させることに意味がないとは言わないまでも、その先に何をやるかを見据えた授業でなければ面白味がありません。

たとえば、こういったオライリー本で学ばせようとすると、言語仕様や裏の設計概念からの授業を組み立てる必要が出てくるのですが、工学、特にものづくり的な観点から言えば、それを使って何をするかの方が大切なので、その辺りの知識は各自勉強してねと言いたいところです。もちろん、可能な限り設計理念なども話しますが、本質ではないところにあまり時間を割けません。

そういった事情もあり、プログラミングとはどういうものか、何が解決できるのか、というスタンスで、その実現方法の一つとしてPythonを取り扱っているテキストとしてMIT標準教科書を採用しました。

このテキストは、Pythonの学び方ももちろんサポートされていますが、序盤から数値的なシミュレーションを取り扱っており、終盤にかけては昨今のデータサイエンスにちょっと触れてみるといったレベルのお話まで突き進みます。ただ、この本で独学で学ぼうと思うと厳しいかもしれません。

理由は単純で取り扱うテーマの量と記述量が合っていないため、副読本が必要になるためです。ただ、それは独学で学ぼうとする立場から、というお話です。

教員側としてこちらのテキストは大変使いやすく、テキストに補足が必要な部分は授業でフォローしつつ進められます。一部のレビューには記述が足りないといった意見も見受けられますが、そもそもMITの講座で使用されるテキストなのだから当たり前と言えば当たり前で、講師の技量がある程度期待されます。

テキストの記述で不十分なところを自分の知識で補いながら面白い授業を展開できれば、テキストも最大限に活用しつつ、オリジナリティーのある内容で楽しませることが出来ます。

ただ、このテキストの最大の難点は、対訳文の質があまりよろしくないことです。第1版よりずいぶんマシになっていますが依然として読みにくいのは否めません。対訳テキストがあるだけありがたいと思いつつ、必要に応じて原著との比較でテキストを補いながら授業をするのも良いかもしれません。

通年でやり通すぐらいのボリュームですが、興味があれば読んでみてください。分かりにくいところは…、サポートできたらします(笑)