セール期間中のクリーニング、ちょっと待った!

投稿日:2017年04月18日 |カテゴリー:Blog

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

 

寒さもだいぶ和らいだ心地よい春の季節、冬物のクリーニングを一気に出してしまおう!という方も多いと思います。もちろん、クリーニング業界もその辺りはしっかり分かっていて、至る所で「冬物セール!」のようなポップを見かけますね。

 

さて、この冬物セールですが、家計的に大助かりという部分は確かにありますが、この期間中にクリーニングに出すことの問題点を考えてみます。セール期間中のクリーニングは、まず戻ってくるのに時間がかかる場合が多いです。今日出したとして、3週間後の仕上がりですねーとか平気で言われたりします。でも、洗って、乾かして、仕上げてという作業はせいぜい2時間から3時間程度の工程なので、その間一体どうなってるの?という話です。その答えがこちら(出典:http://e-aidma.com/products/detail.php?product_id=536)。

クリーニングの回収袋(通称ドライ袋)

クリーニングの回収袋(通称ドライ袋)

はい、みなさんもクリーニング屋さんの受付の奥にチラチラと見かけるこれです。これ、クリーニング屋さんでは通称「ドライ袋」と呼ばれている袋で、一杯に詰めると米俵みたいになってパンパンでものすごい重量になります。なぜこんなことを知っているかというと、学生時代に塾講師や家庭教師のバイトの合間にクリーニング屋さんの工場で働いていたことがあるからです。裏方も全部知っています。このドライ袋をセール期間中はどうしているかというと、非常に単純で倉庫にバンバン積み上げているんですね。愛着のある冬服を綺麗にしまっておくためにクリーニングに出しているのに、あまりに大量の洗濯物のせいで「洗えるまで3週間もの間工場で寝かされる」のですよ。これ、かなりキツくないですか?

 

ほとんどのクリーニング店がそうなのですが、通常は洗濯物を受け付けるお店と、洗濯をして仕上げる工場は別です(個人経営の小さなクリーニング屋さんだと受付の裏に工場があったりします)。お客さんの服を汚さないように、傷つけないようにと、袋に入れて運ぶわけですが、そのまま放置されてしまっては…というところですね。しかも、これでもか!というぐらいパンパンに詰め込むので、密集度合いが半端ないですし、「汚れ物の集合体」なわけですから、ニオイも…想像しない方が良いやつです。

 

もうひとつ、セール期のクリーニングの問題点は、大量に品物を抱えるので、乾燥が不十分な場合があるということです。「え、”ドライ”クリーニングなんだからそもそも乾いてるのでは…?」という素朴な疑問もあるかと思いますが、ドライというのは「水を使わない」という意味で、石油溶剤を利用して洗濯します。ですので、洗濯直後はアブラでベトベトになってると思って下さい。その石油溶剤を乾燥機でぶっ飛ばすわけですが(アブラを加熱して大丈夫なの?と思ってましたが)、これが不十分だとものすごくクサイんですね。だいたい30分前後乾燥機を回すとちょうど良いのですが、あまりにも洗濯物が多くて、途中で止めてしまって仕上げに持っていくものもあります。そうすると、言わずもがな、生乾きの石油溶剤まみれの洗濯物の完成です。いつもより臭くない?と思うのは間違ってないということですね。

 

乾燥が不十分だと色々問題が出ます。よく、「クリーニングから戻った品物はビニールを剥がしてから保管しましょう」と言われます。これは本当に大事なことで、ビニールを剥がさずにおくと、石油溶剤が蒸散せず、せっかくの服にシミができたり穴が空いたりニオイがこびりついたりと、最低な現象が多々発生します。あのビニールは大半の人が「ホコリや汚れが付かないように保管するためのもの」と思っているのですが、全く違います。ビニールの本来の用途は、「運搬中にクリーニングの終わった品物を汚さないため」です。こちらの写真を見て下さい。

クリーニングのビニール

クリーニングのビニール

読みづらいかもしれませんが、説明書きにもきちんと書いてあります。「衣類の寿命のために、必ずポリ袋から出して保管するように」と。これ、本当に大事なことなのですが、結構忘れられています。毎年冬のシーズンが始まると、必ずクリーニング屋さんの窓口で、「あんたのとこのクリーニングはどうなってるんだ!きちんとポリ袋に入れて保管してたのに穴が空いてシミができて使い物にならないじゃないか!」と食い下がっている人がいます。…はい、それ、あなたの保管方法が間違っていたんですよ…、そう言いたいのですが、食い下がっている人は「なんでそんな大事なことを言わないんだ!」という反論を持ってくるので、どうやっても理解してもらえません。でも、保管方法が悪くてクリーニング屋さんにクレームを付けても、弁償の対象にはならないんですよね。諦めましょう。

 

セール時期のクリーニングについてネガティブなことばかり書きましたが、もちろんいつものお店でいつもより安く受け付けてくれるので、経済的なメリットは大きいです。1万円ぐらいかかるところが6000円ぐらいで終わったり、それ以降も使えるクーポンがもらえたり、お得感もかなりあります。ですが、それ相応のリスクもある、ということを知った上で上手に使ってもらいたいなと、元バイトとしては思います。ディスカウントショップで買った安物で次のシーズンも着れたら儲けもの、ぐらいの服ならセールでも良いと思います。ただ、とても大切にしている気に入った服であれば、この時期は避けた方が賢明だと思います。もし急ぎで出したいなら、出費はかさみますが高級仕上げの方を考慮してみると良いかもしれません。別のタグが付くので扱いも別になりますし、仕上げが全く違います(余談ですが、8月頃はクリーニング工場はとてもヒマです。そのぐらいの時期にお気に入りを出すとめちゃくちゃ丁寧に仕上げてもらえるのでオススメですよ)

 

クリーニングの出し方の参考になれば嬉しいです。