オンライン授業での「試験」

投稿日:2020年09月04日 |カテゴリー:勉強, 学校

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

半期分のオンライン授業を終えて、最も気を遣ったのは期末試験です。ご存知の通り、大学への立ち入りが制限されている中で、不正の起きない状況を作って試験をするというのは実は大変難しいことなのです。教室で試験をやっていても不正は起こるわけですが、遠隔でとなるとそのハードルはすごく高くなってしまう。

他大学での取り組みなどまだまだ見えていない部分もありますが、おくむらも期末試験はだいぶ苦労しました。オンラインで適正な試験を受けさせるというのは本当に難しいタスクです。

おそらく、大学に集まることができないという状況であれば、レポート課題のようなものを課すか、どうにかしてオンラインで試験を実施するほか、期末の評価を実施することは難しいのかなと思います(難しいを連発していますが、本当に難しい問題です)

レポート課題にする方法

プログラミング系の科目や、人工知能系の科目についてはレポートで対応してみることにしました。プログラミングの場合、問題を与えておいて、期限内に解いてレビューしようみたいなものを準備し、人工知能系の場合は、既存のアルゴリズムを動かしてみてどういう性能になっているか評価させてレポートにまとめるような課題にしています。

レポート課題にする場合は、通常の授業の時と大差はなく、期限を決めておいてそれまでに提出させれば良いので特に大きな問題はありません。強いて言うなら、学生からの質問にどのように対応していくか、ぐらいの問題がある程度です。問題は「試験を実施する」という方法ですね。

試験を実施する方法

試験を実施する場合、試験日にオンラインで時間通り実施するわけですが、不正対応が問題となります。大学の教室であれば、各パソコンの画面をモニターできる機能などが使用できるため、パソコンを使用した試験でも大きな問題はありません。もし不正をしていれば、そのコンピュータだけ操作停止にすれば済みます。

オンライン試験の場合はそれは不可能です。もちろん、作業画面を共有させておいて、不正行為をしている学生を見付けたら、その学生を減点するというようなことは可能かもしれませんが、全員がきちんと共有できるかも分からないし、全ての共有画面を見続けるということ自体が大変困難な作業となります。

現任校には通信教育部があるため、そちらの試験では実はとても良いシステムが導入されていて、試験中カメラをオンにすることで顔認証を動かしています。少なくとも、パソコンの目の前にいる人が受講中の学生であることは顔認証が証明してくれます。

しかし、それはあくまでカメラの画角内にいる人の話であって、画角の外にいる人は見えませんし、そういう人がいたとしても検知不能です。つまり、オンラインで試験をする以上は、どうやっても不正を防ぐ手段がないということです。

そのため、おくむらは逆に開き直ってしまって、試験中は必ずカメラをオンにすること(普段の授業ではカメラをオンにしない学生も、試験中は必ずオンにするよう指示)、LMS(Learning Management System)を活用した試験を実施することで対応してみました。

いきなり本番というわけにもいかないので、中間試験を実施して、昨年度の状況と比べてどうなるかを検証してみました。すると、教室で実施した昨年と比べてもほとんど大差なく、同様の平均点、同様の分布に収まるということが分かりました。

カメラをオンにすることである程度緊張感が出るのかもしれません。「見られている」という意識はとても大切です。ただ、試験がうまく実施できたのはそれだけが理由ではないと思っています。

学生との信頼関係

ライブ配信の授業ではカメラをオンにする必要はない、と別の記事では書いていますが、これは学生との信頼関係がある程度築けているから言えることです。試験についても実は同じことが言えて、お互いに信頼関係があるからこそオンラインでも試験が成立したのだと思います。

事前の指導で、不正をしたら単位は与えないこと、もしバレなかったとしても、不正をしてまで単位を取ることに意味があるのかきちんと考えることを伝えておいたのが大きいのかもしれません。これまでの成績の推移を知っているので、不正をして高得点を取ったら大抵分かります。

そうまでして単位が欲しいというなら好きにすれば良いですよ、その代わり何も得られるものはないし、一番大事な教員との信頼関係を失うだけですよ、と言っておいたのも良かったかもしれません。みなさん、フェアプレイで試験に取り組んでくれました。

学生は教員のことをよく見ています。あ、この人なら適当に単位取ればいいや…と思われてしまうと不正も横行するのでしょう。この人の期待には応えないと、と思わせる授業ができていると、真っ向勝負をしてくれるのでしょう。

やはり、オンライン授業は講義そのものも試験についても、学生との信頼関係がとても大事になるのだなと実践を通じて学んだところです。

まとめ

オンライン授業での「試験」は実施可能です。ただし、普段から学生との双方向のやり取りができていて、学生との信頼関係がある場合でないと、想定している試験をうまく実施する事は難しいのかなと思っています。

実際、試験ができなくて困ったという声も届いてきていて、この記事のような話をしたいな…と思いつつ、「頑張って下さい」とだけ返したわけですが、不正だらけになって試験として成立しなかったと聞くと、普段の授業はどのようにされていたのだろう…と気になりました。

あくまで、おくむらが主観的にオンライン授業を通じて行った試験の手応えに関する記述ではあります。キーワードは「信頼関係」だと本当に強く認識した半期だったので、今後も学生の信頼に応えられるような良いオンライン授業を届けたいなと思っています。

(ちなみに、この半期の合い言葉は「いつもの授業をお茶の間に」でした。家族の方が一緒に授業を見ていて、時には保護者の方からチャットが届くということもあったので、家族の方も納得の授業というのを心がけていました)