(続)異文化コラボレーション

投稿日:2019年07月02日 |カテゴリー:研究, 調査

みなさま、こんにちは。おくむら(@nori_broccoli)です。

おくむらの中心的な研究テーマは「連想」なんですが、このところよく心理学の先生と話をしていて、いろいろ面白い意見交換ができています。先日サラッと読んだユングの連想実験もそうですが、100年も前に、今とそう変わらない手法で実験をして、何かしらの因果関係を見つけているというのはとてもすごいことだと思います。

ユングの実験はタイマーを利用してある刺激後から別の語を連想するまでの時間を測定しているのですが、これがなかなか正確に計測されていて、有意な結果が現れています。おそらく、人手でできる限界までチャレンジしているのだと思います。これ以上のことをやろうと思うと、今のご時世のようにコンピュータがないとどうにもなりません。

今、最先端のアルゴリズムとして動いているものも、元を辿って行くと数十年前にすでにアイデアとしては存在していたものも多くあります。ハードウェア資源がアルゴリズムに追いついてきた、と言わんばかりに、古くからある手法が脚光を浴びることもしばしば。そういう面では、おくむらの取り組んでいる「連想」も、温故知新で面白いことができるのでは?と期待しているところです。

心理学的な視点からすると、クラウドソーシングで大量データを取得して、たくさんのデータから法則を見つけ出すということが望まれているようです。一方で、おくむらの取り組んでいるテーマでは、たくさんのデータを取得するのは容易だが、そこに統計以外の知見を見いだすことが難しいという問題があります(これはおくむらの勉強不足かもしれませんが、専門外の視点からの分析は大変難しい)

いつも話をしている心理学の先生とはウマが合って、こちらがツールを提供して、あちらが知識を提供してくれる、そういう関係が上手く築けているように思います。おそらく、現在準備を進めている実験も共同で何かしら論文にできそうな内容ですし、異文化コラボレーションがとても楽しいと感じる今日この頃ですね。一方向からばかり物事を見ているとどうしても視野が狭くなってしまうので、普段考えもしないような視点からの意見をもらえるというのは大変貴重でありがたいことです。

IT系の研究室に所属する学生の特徴なのか、たまたまおくむらの周りにいる学生がそうなのかは不明ですが、どちらかというと「手法ありき」で研究テーマを考えているようなところがあり、手法を適用するための材料を探しているというような印象を受けることがよくあります。ただ、その「材料」自体にものすごく深い洞察が必要だったりする場合がほとんどなので、周辺知識を着けるよう指導はしているものの、プログラムとして動作してしまうとすっかりそちらのことは忘れてしまう様子です。

自分が戦っている相手の素性(すじょう)をよく考えて、必要に応じて専門家に質問してみるなど、自分の専門としている分野ではないところを専門としている人たちの知見を大切にしてほしいなと思います。これからしばらくは、おくむら自身もいろんな分野の先生とコラボレーションすることになるので、これまでとは違った論文を出していけたら良いなと思っているところです。